瓶底にお湯を注いでとぽとぽとうすいうすいネスカフェをのむ アルバイトの三連休中日。休日を大切にするあまり無駄にすごしてしまうことが多い。
どん帳にぶら下がるごと腕ずくで暮れさせてゆく十二月末 毎年の年越しに対して愛憎相半ばする気持ちを抱いている。誕生日が近いということも関係してか。
パンストに注ぐナマ足あたたかくこのままそっと生け捕りにせよ クリスマス大寒波などと言って寒い日が続いている。京の底冷え。朝、出勤するまでの時間はなるだけ心を無にしている。
かなしみは着ぶくれながらもけもけと梅田茶屋町ロフトのあたり 特にこれといった目的も無く梅田に出てきた。来年は短歌を頑張ろうという気持ちばかり先走り本屋を何件もハシゴした。
おぢいさんのふでを捉えてふっくりと毛羽立つ和紙の箸袋かな 元旦、祖父が手を震わせながら箸袋に皆の名前を入れてゆく。旧漢字で書かれた名前はなぜか大変上等に見えた。